水槽立ち上げまでの道のり
水槽を始めたのはごく最近で、前職を辞めて有給消化に入ってからのこと。
辞め側の一番しんどかった時期に、帰宅後なぜか「熱帯魚 飼い方」でググったまま寝落ちていたことが何度もあった。
まったく脈絡のないことでなぜそんなことをしていたのか自分でも謎なのだが、子供の頃から水族館が大好きだった私が極限の状態で求めた癒しがお魚ということだと捉え、ググって寝落ちた検索結果を片っ端から眺めるうちに改良めだかに興味を持ち、有給消化に入ると同時に最初のめだか水槽を始めた。
一度のリセットを経て現在は楊貴妃4匹、幹之1匹の計5匹と、年明けに生まれたばかりのベビーたちと暮らしている。
12月の親水槽。楊貴妃たちが合流して間もない頃
しれっと書いたが最初に作った水槽は様々な失敗を重ね、おむかえした6匹全員を失い、1ヶ月足らずでリセットする羽目になった。
外掛けフィルターを訳もわからずそのまま使ったり、底砂掃除の正しいやりかたも弁えていないのに底砂を厚く敷いたり、水面にえさを大量にぶちまけてしまったのに換水の対処が遅れたり……失敗が山盛りであったと反省しているが、そのうえさらに不運も重なった。
おむかえした子の中に元々尾腐れ病と水カビ病の初期症状を併発していた子が居たり(初日に気付けず、後日これはもしや?となったときに初日に撮った写真を見返したら最初からだった)、さらに水草には貝、極め付けにミズメイガの幼虫までついてくるという不運ぶり。
水草は水道水でジャブジャブ濯いではあったが、そんなものでは足りないことも知らず……。
不自然にスパッと切れたアナカリスの葉をあちこちで見かけては不思議におもいながら過ごし、やがて誰も居なくなった水槽を洗おうと覗き込んだら羽化したてのミズメイガと目が合って絶叫したものだった。
めだかたちを死なせてしまったのは完全に自分の責任ではあるものの、病気の子が紛れていたのは事実なので、なんとなく通販で生体を買うのはやめておこうかな……という気持ちに。
あとアナカリス。蛾はつらい。
第2陣は地元のホームセンターから楊貴妃1ペア、幹之1ペアをおむかえ。
輸送時間が短ければ負担も少ないはず、と踏んだからだったが、また気合いが色々と空回りして、トリートメント水槽で様子を見ていた僅か1週間の間に実に4匹のうち3匹が☆に。
その中にはものすごく美人の楊貴妃♀も居り、気に入っていたのでかなり凹んだ。
唯一生き延びたヒレ長気味の幹之♂はよほど丈夫らしい。
最初は水面からえさを食べられず水中に落としてやる必要があったが、他の子が居なくなってひとりになるとふつうに水面から食べられるようになった。
それからはよく食べるし好き嫌いもしない。
その横でメイン水槽を作り直した。
フィルターは素直に投げ込み式にして、水草を植えないので底砂は掃除のしやすさのために浅めに敷いた。
実際に底砂掃除をしてみると掃除がしやすく、この方法は自分には合っていたと思う。
投げ込み式にした理由は、せっかくバクテリアが住み着いたかもしれないろ材を2〜3週間に一度のペースでまるごと捨ててしまう外掛けは初心者にとって扱いが難しいのでは?と感じたため。
写真にも写っている通り、水草はマツモにした。
アナカリスはちょっとトラウマである。
少しの間、幹之くんは水槽を広々と使って一人暮らしを謳歌することに。
第3陣は新宿のアクアフォレストから楊貴妃2ペアをおむかえ。
この子たちは実に丈夫で、トリートメント水槽に来た初日こそ落ち着かなさそうにしていたものの、2日目以降はえさはよく食べるしフンの状態も良く、病気もしたことがない。
問題なさそうだったので2週間ほどでメイン水槽に合流。
うち1匹は間もなくお母さんにもなった。
父親は幹之ではないかと見ているがまだ子供に特徴が出ていないので定かでない。
ただ彼らは仲はあまり良くないようで、しょっちゅう喧嘩をする。
約15Lに5匹で暮らしているので、そこまで過密というほど過密でもないはずなのだが、閉鎖空間ゆえ縄張りが気になるのかもしれない。
繁殖行動が見られた時期には鰭が傷つくくらいに激しい喧嘩をしていて悩んだが、最近は落ち着いてきた。
この5匹が集結してようやく、水槽が立ち上がったと言ってもいいかもしれないところまで水が落ち着いてきた。
飼育を始めてから実に2ヶ月後のことである。
おとなたちはだいぶ落ち着いてきてくれたので、最近は初の稚魚飼育で毎日あたふたしている。
なんとかこの子たちも無事におとなまで育て上げ、親たちと一緒に暮らせるようにしたい。